カテゴリー別アーカイブ: コンピュータとインターネット

DoCoMo Innovation Village Demo Day に行ってきました

昨日に引き続き、エントリー。今日はお仕事のお話し。

昨日の午後、同僚と六本木のラフォーレミュージアムに行き、DoCoMo Innovation Village Demo Day というイベントに参加してきました。簡単に言うとDoCoMo が応援しているベンチャーたちのお披露目会です。120以上の応募から選ばれた6社がこの4か月、DoCoMo 社員や業界のメンターなどから伝授されたノウハウを駆使しながら、開発してきたサービスと事業計画を6分でプレゼン。座学が苦手な私でもすごく楽しい時間でした。

  • プレゼンした6社とサービス名はこちら
  • ウィルモアの「クミタス」
  • GADGET の「ナノベル」
  • coromo の「coromo」
  • SODAの「ファンピクティ」
  • TIMERS の「ペアリー」
  • プライムアゲインの「デコアルバム」

市販食品のアレルギー情報をチェックするためのアプリ「クミタス」は個人的にはありがたいサービスだし、2000文字の超短編小説マガジンの「ナノベル」は待ち時間や移動時間に使えるということで、ユーザーとして共感できたサービスでしたが、なんといっても「カップルが思い出を共有するためのアプリ」という「ペアリー」が面白かった。二人だけのチャット、二人だけのアルバム、二人だけのカレンダー・・・聞いていて恥ずかしくて耐えられない機能が満載だったけれど、「うわー、これ絶対使う人いる!知っている!」と思わずにはいられない消費者インサイトがそこにはありました。既存のSNS などは「友達の近況」を共有するのが軸だけれど、カップルは思い出を作って振り返るコミュニケーションプラットフォームを求めている、と。腹落ちしました(笑)。案の定、ペアリーがグランプリを受賞しました。

それにしても、どのプレゼン資料も作りこまれており、コンセプトビデオが挿入され、お金と時間がかかっていて羨ましい限り。私もコンセプトビデオ作らせて欲しいですー!

日テレZIP にインタビューされました!

昨日長女と銀座の歩行者天国をぶらぶらしていたら、日テレのZIP! の取材をされました。小学生の携帯電話事情についての取材で、ちょうど長女は品川区の小学生に配布されている「まもるっち」を持っていたので、結構詳しく取材されました。「まもるっち」は防犯目的なので、通話とメールの機能しかなく、インターネットは参照できないのだが、娘たちは親のパソコンやらスマホやらを使ってゲームをしたり、ビデオを見てはいる。「その際に何か規則ありますか?」と聞かれたところを見ると、話題になっている「スマホ 18の約束」に発端があるようだ。

「スマホ 18の約束」はクリスマスに13歳の息子にスマホをあげた母が18の約束の「契約書」をつけてブログにアップしたことで話題になっているもの。日本でも結構報道されている。例えばこちら: http://www.j-cast.com/tv/2013/01/09160605.html

4月から小5になる長女であるが、世の中的には塾などの送り迎えのためにスマホを持たせることもある年齢だ。品川区で全小学生に配布される「まもるっち」のおかげで、中学生まではスマホを持たせずにすみそうで、品川区に感謝である。すでに長女からは「中学生になったらスマホ買ってね」と言われている。

取材では「ほかに気になることはありますか?」と聞かれて、「スマホでゲームでビデオに夢中になって、ほかのことを何もやらないこと」と回答した。こちらはまさに我が家の頭痛の種で、一日20-30分と時間を決めて親のスマホなどを使わせているのだが、二言目には「スマホ使っていい?」となってきている。長女に関しては露骨に他のことをやる時間が減っている。自分がネット依存症だから気持はわかるが、子供たちにスマホ禁止デーとか設けたいくらいだ。

取材はされたものの、放送されるかどうはわからないので、月曜日から数日ZIP!を一生懸命見ることになるだろう。

スモーク・テストとは

昨日、隣の席の同僚にメールに記載があった「スモーク・テストってなに?」と聞かれて、「ざっとテストすること」と答えて、はて、果たして本当にそういう意味だったっけ?語源はなんだろう?と思い、調べてみた。

Smoke testing (Wikipedia) (英語)

もともとなんとなく、煙を流して何か漏れがないのか調べるのだろうな、と思っていたのだが、実際水道管の検査のことを指していた言葉だったらしい。新しい水道管に漏れがないか、煙を流してチェックすることがいつのまにかパソコン業界などに使われ、マザーボードの新しいものを差し込んで電気を通して煙があがらないかチェックする、ということにとって代わり、ソフトウェアのテストで基礎的なテストをしてまず確認することとして使われる表現になったようだ。

ようするに煙が出れば、あまりに出来が悪いので、細かい検証作業をするまでもなく、修正をしなくてはいけない、ということを指すということが共通項のようだ。面白い。

たまにはIT企業に勤務するバイリンガルらしいことも書いてみた。

KINDLE FIRE HDの使い勝手

さて、Kindle Fire HD が届いてそろそろ1週間。使い勝手について簡単に記録しておく。

よい点

  • 安い。1.5万円で、16GBのハードディスク、7インチのカラーディスプレイは競合製品と比べて圧倒的に安い。
  • 本も安い。キンドル本は紙版に比べてそもそも安い価格設定をされているのだが、さらにプロモーションで安くなっているものもあり、とても求めやすい(危険!)。すでに1週間で5冊購入。
  • 初代キンドルと違って、バックライトがあるので、夜ベッドサイドで読書するのにはとてもいい。ただ、ライトはPaperwhite でもついているので、Fire HD の特性ではない。

よくない点

  • 初代キンドルはページ送りをボタンでやっていたのに対して、Fire HD はタッチスクリーンをスワイプする。これは片手で読むには実は不便。またスクリーンに間違って触ることは結構多く(特に電車の中とか、ちょっと部屋を移動するときなど)、ページが意図せずに送られてしまうことがたびたび。
  • 書籍が少ない。これは時間が解決してくれるとは思うが、「東野圭吾」や「立花隆」が一冊もないのはつらい。それでもこの1週間で5冊購入したが。
  • アプリが少ない。読書しながらFacebook も時々チェックしたいのだが、いちいちウェブ版とトグルするのが面倒。まだまだアプリが少ないので、読書以外に何に使えばいいのかいささか不明。
  • オリジナル・キンドルと比較すると電池の減りが早い。これは高機能デバイスなので仕方ないと思うが、読書にしか使わないとなるとやはり気になる。
  • 日本語文字キーボードがない。ちょっとした検索キーワード入力の際に、ローマ字入力をしないといけないのは、思ったより不便。以下にスマホに慣れた生活をしているかを実感。
  • 実はオリジナル・キンドルで登録してあったamazon.com のアカウント(ライブラリ)と今回購入したamazon.co.jp のアカウントは統合できなかった。現在サポートに対応してもらっているけれど、解決するかどうかは不明。クラウドサービスの利用についても苦戦している。
  • まだビデオが販売されていない。ツタヤのアプリで、レンタルはできるが、せっかくハードディスクがついているので、購入して持ち運びたい。これも時間の問題と思われ、楽しみである。

こうやって書き出してみると意外と不満な点も多く、読書するだけなら Paperwhite でよかったのかもしれないと思う。ミュージックもゲームも購入できるのだが、個人的にはあまり用途がない。ビデオが販売されるようになったら、ぐっと利用価値があると思うが、いつ実現されるかは不明。

myFave グランド・オープン

6月にプレ・オープンしたショッピングSNS myFave ですが、本日晴れて「グランド・オープン」しました。今までは会員登録した人だけが利用できたのですが、グランド・オープンして、会員登録なしでも人の投稿が見えたり、商品検索できるようになりました。

http://myfave.jp/

フォト投稿ができるようになったり、商品や写真をスクラップブック風にまとめる「コレクション」を作るエディターがリッチになって、より表情のあるコレクションが作れるようになっています。

 

collection

公式サポーターの道端カレンさんもかなり投稿してくれていて、活発なタイムラインになっています。

長女とメール

品川区の小学校は「まもるっち」なる携帯と一体となった防犯ブザーを全小学生に配布しているが、今年度は業者がソフトバンクからKDDI になり、防犯ブザーおよび通知サービスのみだった我が家も長女と通話とメールができるようになった。

長女たちも一人も10名までメール登録ができるので、どのお友達を登録するなど少し浮き足立っていたが、ふたをあけてみたら、意外と冷静で長女はお隣に住む1年上のお姉ちゃんのみをメル友として登録している。

結局長女のメールのメインの相手は私である。あまり深く考えていなかったが、メールをやりとりするようになって新たな展開が二つほどあった。

1) 普段長女は無口なので、メールという新しいツールでほんの少し長女が考えていたり、感じていたりすることが垣間見えることが増えた。

2) 長女は父親譲りで心配性だということもよく見えるようになったことの一つだが、メールだと母娘という力関係がかなりフラットになる。下記は長女からのメール。

今日、個人面談だったけど、ちゃんと行きましたか?
へんじちょうだい

私が日本で社会人として仕事を始めたころにちょうどインターネットが普及し始め、メール中心で仕事ができる環境ができてきていた。海外で育った自分としては季節の決まり文句があるような定型の文書などは書けるわけもなく、「お世話になります」くらいで始められるメールで取引先とやり取りができる時代で命拾いしたわけで、メールによって日本語特有の上下関係などが少しフラットになったのを思い出す。

どうして「友達親子」が増えているのか少しわかったような気がした。

ショッピング好きのためのSNS “myFave”  プレ・オープン中

この2年間、現職でショッピング好きのためのSNSを準備してきたが、6月13日にようやく招待制(招待メールを受信した人のみが利用可能)の「プレ・オープン」という形で、サービス開始となった。より多くの人に使ってもらいたい。招待メール希望の人は告知サイトでメルアドを登録ください。7月からは公式サポーターとして優木まおみさん、道端カレンさん、内田恭子さんが活動を始める予定!

myFave 告知サイト: http://promo.myfave.jp/ 

さて、ここからはどうしてmyFave を立ち上げようと思ったか、という話。インターネット業界の話で、長いので、興味ない方は飛ばしてください。(でもmyFave ユーザーにはなってください 笑)

Facebook の日本に住む日本語を話す18歳以上のユーザー数が845万人となり、私の周囲の多くの人が利用している。週末も保育園の保護者会があったのだが、隣に座ったパパが「昨日からFacebook 始めたんですよ」と言うので「じゃあ、つながりましょう!」という会話をしたばかり。子供を通じた知人・友人や高校の同級生たちが利用し始めるとインターネットのサービスは「ああ、普及してきたんだなぁ。」と感じる。

IT業界や若い世代でのFacebook の利用は特に多く、実名制を前提にしている中、友達の申請リクエストを断る(あるいは無視する)のは多分難しく、また友達の数がある程度のステータスとなっている(前述の保育園パパ談)ことから、ほとんどの人が数百人単位の友達がいるようだ。

ソーシャルサービスを仕事にしているので、機会がある度に聞くのだが、Facebook をある程度使いこなしている人は大体数百人とつながっている。そんなに大勢の人とつながってしまって言いたいことが言えなくなっているとか、人の迷惑になってはいけないから発言に気を使うようになって面倒に感じることがあるとか、情報発信する際のマナーが問われるストレスを覚える人が増えるという私の仮説は今のところ当たっているようだ。

みんながそうなると思っているわけではない。ウェブメールサービス Hotmail を担当していたときに、メールアカウントやメーラーは一つあれば十分という人と、アカウントやメーラーは用途によって使い分けたいと思う人が明確にいることを知った。物理的にメールが分かれていることが不便なのではなく、むしろ一つに統合されて「コンテキスト」がごちゃごちゃになるのがストレスなのだ。仕事をしているときはある一定の人たちとコミュニケーションをするので、アドレス帳もその人たちで形成したいし、仕事のメールはまとめておきたい、という要望だけだったら、アドレスブックのグループ分け機能やメールのフォルダ分け機能で答えられるのかもしれないが、ユーザーの心理までは汲み取っていない。

「休みの日はパソコンに向かいたくない」とか「仕事中にHotmail を使っていると遊んでいると思われるのではないかと不安だ」というネガティブな感情や「Outlook を立ち上げると一気にタスク管理が進む」とか「大事な携帯メールはパソコンメールに転送する」と言ったポジティブな心の動きがサービスだけではなくて、ソフトウェアやハードウェアと言った物理レイヤーにも映し出されているのだから、一つのインターフェイスやデザインでそれらすべての心情・用途・コンテキストに応対するのはかなり無理がある。

SNS に話を戻すと、Facebook や Mixi だけで事足りる人もある程度いると思うが、メールを色々なシーンで使うようになったように、複数の用途やコンテキストでSNSを利用したくなる人が今後どんどん増えると思っている。SNSはコミュニケーションツールだから、仕事にも飲み会にもPTAにも家族の連絡にも、コミュニケーションが必要ないろいろシーンで使われるはずだ。その際に、より用途に特化したSNSが必要になるという仮説のもと、ショッピング好きのためのSNSとしてmyFave を立ち上げてみた。

ショッピング好きのための、ということで、1000万点の商品データベースと連携しているし、商品を並べて自分の世界観や妄想をストーリー仕立てで表現できる「コレクション機能」などを搭載している。商品データベースは毎日、提携のオンラインショップさんからのデータで再構築しているので、人の投稿やコレクションでを見て、欲しいと思った商品はすぐにショップさんのサイトへジャンプして購入できる。まだまだ発展途上だが、ソーシャルサービスらしく、小さく生んで大きく育ってほしい。

ちなみにFacebookはどういう位置づけになるかと思っているかというと、一つにはこうした特化型SNSのソーシャルグラフのインフラ的位置づけになると思っている。世界中で一番大きなSNSとして、ほとんどの人が登録している電話帳だ。その電話帳をベースに都度シーンに合わせて個人(グループ)があるいはビジネス(アプリあるいは独立サービスとして)が新たにソーシャルグラフを起こす。

やっぱり話が長くなった。申し訳ない。

デジタルマーケティング新人研修「グローバルのトレンドを捉える」

先日とあるパートナー会社の新人研修の講師をさせていただいた。割と好評なようで、3年連続で個人で指名をいただいている。私は大学卒業後、教育関係のNPOに勤務していたこともあって、グループに教えることが好きで、私自身もこの講演は楽しみで、会社の代表として依頼されているのはわかっていても、かなり自分オリジナルのストーリーでスライドを作成。

スライドの柱は3つ。

  1. デジタルマーケティングのグローバルトレンド
  2. 消費者行動・心理のトレンド
  3. 上記を受けての自社の事例

トレンドと言っても色々なカットがあるので、その年、その時に自分の中で「ブーム」だったり気になるものをとりあげる。目の前の仕事と関係なく、世の中で起きていることで自分が興味を覚えることを探すのは楽しい。なんとなく思っていたことがデータやうまい文章で表現されているのを今度は改めて自分のストーリーとして消化し、さらに興味関心を覚えることを見出す。アウトプットも出しながら、この繰り返しが気持ちいいのだろう。

なかなか作ったスライドを人に共有するまでの質に持っていけないのだが、今年は3年目ということもあって、ようやく大好きなSlideshare.net にアップできた。興味のある人はどうぞご覧ください。

KONY 2012

少し前に知ったKONY 2012 活動。JOSEPH KONY というウガンダやスーダンで活動する紙の抵抗軍」のリーダーであるが、大量の少年兵や性奴隷を従えてただひたすら権力保持するためだけに殺戮を繰り返しているという「大悪党」なのだが、その事実が世界に知られていないがために、放置されてしまっているということで、今年こそ彼を世界で最も有名な人にしようという動きが「KONY 2012」である。

最近GIGAZINE で取り上げられているので、リンクを紹介。

 

そのPR戦略に感服をし、ウガンダやスーダンの状況がよくなることを願って、わずかに寄付をし、KONY 2012 パックを送付してもらった。Tシャツ、ブレスレット、ポスター、ステッカーなどが入っているパックである。

写真

寄付金の利用などについて疑問の声もあがってはいるようだが、アフリカに対して多くの人がの目が向いていないのは事実だし、ソーシャルを活用しまくった運動としては十分評価に値するのではないのだろうか。どこまで成果を出せるのかが楽しみだ。

縦書き文化を悩む

先日中国について友人と話していたときに、中国では縦書きの書籍を入手することがむしろ難しくなっているという話を聞いて驚いてしまった。中国に行ったことすらない私の全くの偏見なのだが、中国の書店で販売されている書籍の多くが日本のように縦書きだとイメージしていたのだ。

中国が横書きに移行したとなると、縦書き文化が残っているのは、後は日本と韓国のみになるらしいが、韓国もどんどん横書きが増えているとのこと。日本も国技以外の教科書は横書きだし、書店にも一部横書きの本が並んではいるが、まだまだほとんどの本は縦書きだ。

問題は今後も縦書き主流であるべきか、という点だ。個人的には、縦書きは大好きだ。お正月に長女が宿題で書初めをがんばっている姿などは清々しいと思ったし、縦にも横にも文章を書けるというのは単純に表現力が広がる。

CIMG1128 CIMG1130

余談だが、この書初めの宿題を終えたあと、新聞紙にはさんで置いておいたところ、ゴミと間違って捨ててしまったという事件が起きた。長女が怒り狂うだろうと思っていたら、「書初め用の半紙ってどこで買えるの?」と案外あっさりとやり直した。執着心がないというか、現実的というか、不思議な娘である。

本題に戻ろう。個人的には縦書きが好きでも、ビジネスとしては引っかかるところがある。IT業界に勤務していると、縦書き、ルビ、禁則など日本語を表現するための開発がどのくらいたくさん発生しているかを目の当りにする。正直、縦書きは中国という莫大な市場も必要としているので、当然どの場面でも実装されるとタカをくくっていたのだが、今後日本以外の国が縦書きを必要としなくなったら、それでもメーカー各社、縦書き対応をしてくれるだろうか。

日本は単体の市場と見たら大きいが、横書き人口に対縦書き人口となると60:1 となるのだ。日本のソフトやアプリメーカーは実装してくれるだろうが、世界を相手にしている海外メーカーはどうだろう。

日本の選択肢は以下の3つになるのだろうか。

  1. 縦書きをあきらめる(ルビなどはまだ必要だが)
  2. 縦書き実装技術を日本国内で徹底的に追及して海外各社に無償か格安で提供
  3. 他の国にも縦書きを採用してもらう(無理か・・・)

2を実現するためには、世界に通用する技術者とコミュニケーターを育成する必要がある。