この2年間、現職でショッピング好きのためのSNSを準備してきたが、6月13日にようやく招待制(招待メールを受信した人のみが利用可能)の「プレ・オープン」という形で、サービス開始となった。より多くの人に使ってもらいたい。招待メール希望の人は告知サイトでメルアドを登録ください。7月からは公式サポーターとして優木まおみさん、道端カレンさん、内田恭子さんが活動を始める予定!
myFave 告知サイト: http://promo.myfave.jp/
さて、ここからはどうしてmyFave を立ち上げようと思ったか、という話。インターネット業界の話で、長いので、興味ない方は飛ばしてください。(でもmyFave ユーザーにはなってください 笑)
Facebook の日本に住む日本語を話す18歳以上のユーザー数が845万人となり、私の周囲の多くの人が利用している。週末も保育園の保護者会があったのだが、隣に座ったパパが「昨日からFacebook 始めたんですよ」と言うので「じゃあ、つながりましょう!」という会話をしたばかり。子供を通じた知人・友人や高校の同級生たちが利用し始めるとインターネットのサービスは「ああ、普及してきたんだなぁ。」と感じる。
IT業界や若い世代でのFacebook の利用は特に多く、実名制を前提にしている中、友達の申請リクエストを断る(あるいは無視する)のは多分難しく、また友達の数がある程度のステータスとなっている(前述の保育園パパ談)ことから、ほとんどの人が数百人単位の友達がいるようだ。
ソーシャルサービスを仕事にしているので、機会がある度に聞くのだが、Facebook をある程度使いこなしている人は大体数百人とつながっている。そんなに大勢の人とつながってしまって言いたいことが言えなくなっているとか、人の迷惑になってはいけないから発言に気を使うようになって面倒に感じることがあるとか、情報発信する際のマナーが問われるストレスを覚える人が増えるという私の仮説は今のところ当たっているようだ。
みんながそうなると思っているわけではない。ウェブメールサービス Hotmail を担当していたときに、メールアカウントやメーラーは一つあれば十分という人と、アカウントやメーラーは用途によって使い分けたいと思う人が明確にいることを知った。物理的にメールが分かれていることが不便なのではなく、むしろ一つに統合されて「コンテキスト」がごちゃごちゃになるのがストレスなのだ。仕事をしているときはある一定の人たちとコミュニケーションをするので、アドレス帳もその人たちで形成したいし、仕事のメールはまとめておきたい、という要望だけだったら、アドレスブックのグループ分け機能やメールのフォルダ分け機能で答えられるのかもしれないが、ユーザーの心理までは汲み取っていない。
「休みの日はパソコンに向かいたくない」とか「仕事中にHotmail を使っていると遊んでいると思われるのではないかと不安だ」というネガティブな感情や「Outlook を立ち上げると一気にタスク管理が進む」とか「大事な携帯メールはパソコンメールに転送する」と言ったポジティブな心の動きがサービスだけではなくて、ソフトウェアやハードウェアと言った物理レイヤーにも映し出されているのだから、一つのインターフェイスやデザインでそれらすべての心情・用途・コンテキストに応対するのはかなり無理がある。
SNS に話を戻すと、Facebook や Mixi だけで事足りる人もある程度いると思うが、メールを色々なシーンで使うようになったように、複数の用途やコンテキストでSNSを利用したくなる人が今後どんどん増えると思っている。SNSはコミュニケーションツールだから、仕事にも飲み会にもPTAにも家族の連絡にも、コミュニケーションが必要ないろいろシーンで使われるはずだ。その際に、より用途に特化したSNSが必要になるという仮説のもと、ショッピング好きのためのSNSとしてmyFave を立ち上げてみた。
ショッピング好きのための、ということで、1000万点の商品データベースと連携しているし、商品を並べて自分の世界観や妄想をストーリー仕立てで表現できる「コレクション機能」などを搭載している。商品データベースは毎日、提携のオンラインショップさんからのデータで再構築しているので、人の投稿やコレクションでを見て、欲しいと思った商品はすぐにショップさんのサイトへジャンプして購入できる。まだまだ発展途上だが、ソーシャルサービスらしく、小さく生んで大きく育ってほしい。
ちなみにFacebookはどういう位置づけになるかと思っているかというと、一つにはこうした特化型SNSのソーシャルグラフのインフラ的位置づけになると思っている。世界中で一番大きなSNSとして、ほとんどの人が登録している電話帳だ。その電話帳をベースに都度シーンに合わせて個人(グループ)があるいはビジネス(アプリあるいは独立サービスとして)が新たにソーシャルグラフを起こす。
やっぱり話が長くなった。申し訳ない。